いいのかよ。『この闇と光』が読めなくなるなんて、残念すぎる。
この闇と光 (角川文庫)
posted with amazlet at 09.03.05
服部 まゆみ
角川書店
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おすすめ度の平均:
独特の美の世界へと誘ってくれた感謝を込めて傑作です。
果たしてどちらが「闇」か「光」か
闇の中で光る、私たちの「王国」
闇が誘導する世界と絵画的「美」
偉そうに言ってますが、昔からのファンではありません。
北村薫など小説家仲間から高く評価されているという話を聞いて、読み始めた程度です。そして何冊目かで『この闇と光』に出会った。
暗闇の世界で生きる盲目の「レイア姫」。「お父様」は優しいが、家のすべては恐ろしい「ダフネ」が取り仕切っている。ダフネに怯えながらも、たまに帰宅する父と過ごす時間は何より幸せな時間だった。しかしその幸せがある日突然崩れる。同時に、読者も目の前で世界を破壊されてしまう。そこから先は呆然として読み進むしかない。
この人の小説をもっと読みたい―。そう思って過去の作品も買った。『レオナルドのユダ』はハードカバーを新刊で買った。社会人になって本に費やせるお金が増えて「早く新刊を」と思っていたら、服部さんは逝ってしまった。そして今、その著作も動きを止めようとしている。どこかが過去の文庫を復刊してくれないかな。創元推理文庫では、ちょっと色が違うか?
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