2009年1月16日金曜日

共感覚の話を聞いて思い出した

NHKの『解体新ショー』という番組を見ていたら「共感覚」という言葉が出てきた。

ある人は文字を見ると文字ごとに色が見える。
ある人は音や音楽を聴くと色が浮かんでくる。

文字を読むのは形を認識する力、
音や音楽は聴覚関係、
それが視覚の中の色を認識する感覚とつながる。
複数の感覚が共通するので「共感覚」。

そこで2冊の本を思い出した。1冊は最相葉月の『絶対音感』。絶対音感 (新潮文庫)音楽だけではなく、赤ん坊の泣き声や車のクラクションもドレミで認識できる「絶対音感」について多方面に取材した本。この本の中に共感覚と似たような話がでてきた。某音楽教室に通って絶対音感を身に着けた人の中には、音と色が結びついているという。共感覚とは違い、音に色がつく人はみな同じ音を聞いて同じ色を連想する。何故か。答えは某音楽教室で使っていた教材にあった。その教材ではドレミファソラシドの音符を色分けしていたのだ。だからその教室で同じ教材を使って音楽を学び、絶対音感を養った人たちは、音と一緒に色も刷り込まれたのだ。

これはあくまでも連想であり、共感覚とは異なるだろう。もう1冊は共感覚を題材にした小説。井上夢人の『オルファクトグラム』だ。
オルファクトグラム〈上〉 (講談社文庫)オルファクトグラム〈下〉 (講談社文庫)姉夫婦宅を訪ねた主人公は、何者かに殺害された姉を発見し、直後に頭を殴られて気を失う。病院で目覚めた主人公は空中に結晶のようなものが漂っていることに気がつく。色も形も様々なその結晶を観察していくうちに、主人公は自分が「匂いを見ている」ことに気がつく。そして、主人公は姉を殺した犯人の匂い「アイボリーの結晶」を探し始める。
この作品を読んだときの衝撃は今でも忘れられない。また読み返したくなったけど、積読本がたくさんあるしなぁ。いまだ出会っていない本の中にも、きっと『オルファクトグラム』と同じような衝撃的な出会いが待っているに違いない。だから、読み返すより未読本を消化しよう。

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